日本ヨーヨー連盟(JYYF)主催 2010 Japan National Yo-Yo Contest (2010年全日本ヨーヨー選手権大会)

2010年度版:フリースタイル競技 競技ルール(全国大会)

演技時間について

選手は自分で選んだ音楽に合わせて3分間(注:予選は1分。以下同様)内のフリースタイル(自由演技)をする。

音楽再生装置の0:00から3分を計測する。音楽は音楽再生装置上の3:00から3:01の間で停止させる。曲のスタート時に無音部分がある場合でも同様である。

音楽が始まる前、もしくは3分間終了後のトリックは加点の対象としない。しかし、減点は3分終了後も、ヨーヨーが完全に停止するまでは継続される。(*2010.05.17修正)

使用音楽について

音楽は、全ての観客に適するものでなければならない。不適当な音楽(外国語も含め、中傷・わいせつな言葉等が入っているもの等)を使用した選手をジャッジは失格にすることができる。もし、選手が自分の音楽が適当なものか不確かな場合は、事前にジャッジに確認することができる。

使用音楽の編集

楽曲を編集する場合は、著作者・レコード会社の許可が必要である(音楽の編集に関し、JASRAC は関係しません)。この許可は、オンライン楽曲であっても同様である。

使用音楽の提出方法および注意点

使用音楽は、音楽CD(著作権フリー、またはそれに準ずる場合は CD-R でも可)のみを受け付ける。CD-RW・MD・MDLP・カセットテープ・iPod などの携帯プレイヤーなどは基本的には受け付けない。ただし会場の音響機器の不備に備え、携帯音楽プレーヤーなどを用意しておくことが望ましい。(2010.05.21追記)JASRAC 管理下曲を使用する場合は、販売されている製品版CD(原盤)を当日提出すること(ただし楽曲編集が認められたものについては、CD-R の使用を認める)。

3分に満たない音楽トラックの場合は、1トラックを再生し終えた時点で終了とする。

フォーマットや作成コンディションによってCD・CD-Rが再生できない場合、選手は自身の責任として必要な代替品を提出する必要がある。

音楽が機材不調などにより、3分に満たない間に停止した場合、演技中の選手がプレイを続けている限り、採点を継続する。音楽の停止などによって選手が演技を中止した場合は、その直後、もしくはその部門の最後に再審査を受けることができる(音楽機材とCDの状況を勘案し、ヘッドジャッジによって判断される)。

その他の注意点に関しては、『使用音楽について』を参照すること。

行動・動作について

全ての選手は、観客・会場施設・大会設備そして選手自身の安全を考えた演技をしなければならない。ジャッジは、危険もしくは不適当な行為をした選手を失格にすることができる。

ステージ上で、不適当な行動・発言・衣装をした選手をヘッドジャッジは失格にすることができる。ここでの「不適当」とは、中傷・わいせつなものなど、公序良俗に反するとみなされるものを指す。例えば F**k などといった、いわゆるFワードのプリントのシャツの着用などもそれに該当する。

もし、選手が自分の予定している動作が適当なものか不確かな場合は、事前にジャッジに確認することができる。

演技中は、選手のみがステージに立つことができる。演技中のいかなるアシスタントも許可されない。

ほかの選手の妨害や、中傷・問題行為などに関しては、大会中や前後の行動・発言も含めて、競技会失格の対象になる。

使用ヨーヨーについて

ヨーヨーのメーカー・種類・パーツ交換・メンテナンス・改造に特別な制限はない。

観客・会場施設・選手自身の安全が脅かされる改造や演技を行った場合は、ジャッジは選手を失格にすることができる。

ストリングは、ヨーヨー専用の市販品を使用しなければならない。ただし、特殊なスタイル(ゴーウエスト・ロングストリング・透明ストリング等)を行う場合のみ、ジャッジの安全確認を受けた上での使用を認めることができる。

選手本人がステージ上に用意したヨーヨー以外、使用してはならない。選手は他者からヨーヨーを受け取り、それを使用することもできない。オフストリングなどでステージから落ちたヨーヨーは、選手本人以外の人が拾ってステージに戻してはならない。もし、そのヨーヨーを使用した場合、その間は加点されない。ただし、減点の対象にはなる。

選手は必ずヨーヨーをヨーヨーとして使用し、演技しなければならない。そのほかの部分は評価対象外とする。

その部門に属さないスタイルを選手が演技した場合は、その部分は加点対象として審査されない(ただし減点対象としては審査される)。ヨーヨーの絡まり、構成上の都合などによる交換の場合でのみ、複数のヨーヨーを規定数以上使うことができる。

以下は同時に使用することができるヨーヨーの数である。

2A、3A等で3個目のヨーヨーが使用された場合も、最初の2個のみを技術の対象とし、3個目からはパフォーマンスの一部として評価される。

3Aでのオフストリング要素を含むトリック(例:ソードダンサー)も、3Aとしての形状を保った間までが加点対象であり、それ以降は加点対象にならない。

ヨーヨー以外の持ち込みについて

ヨーヨー・ストリング・カウンターウエイト・グローブ(もしくは準ずるもの)、大会側が用意したトレイ以外をステージ上に持ち込んではならない。パフォーマンス用途を含む、ヨーヨー以外の小道具の持ち込みも一切認められない。ここでの小道具とは、バッグ・ヨーヨーケース・布・ジャケット・装着している衣装以外の衣類・選手が用意するテーブルおよび装置等の持込みを指す。ジャッジは違反選手を失格にすることができる。ただし、貴重品の管理などの理由で、手元に置く必要がある場合は、ステージ脇にのみ、バッグ、財布、携帯電話等を置くことができる。

フリースタイルの採点方法

フリースタイルの採点は、「技術点(TE)」と「芸術点(PS)」の2つの要素の合計から成り立つ。

技術点(TE : Technical Execution)

技術点は、各ジャッジが2つのクリッカー(数取り器)を両手に持ち一方で加点を採り、もう一方で減点を採る。そしてその和をもとに集計する。

加点と減点の総和は、決勝3分フリーでは競技者の総合点の70%を占める(予選1分フリースタイルは100%)。

各部門の審査内容

加点

上級レベルのトリックエレメント(技術要素)が成功した場合に加点される。加点は「技術要素」毎で加点される。以下にその例を示す。

『ジャーブル』や『ランシッドミルク』などといった多数の手順を伴うトリックは、トリック一個としてではなく、複数のトリックエレメントとして技術要素ごとに採点される。

追加点の対象:難易度・独自性・長スリープでの連続トリック・巧みで壮大な動き

同じトリックエレメントの2度目以降は原則として加点されない。しかし、高難易度のリピートトリック(スーサイドの連続キャッチ等)、もしくは異なるトリックコンボ内での「技術要素」は、ジャッジの判断によって2度目以降も加点してよい。

減点

明らかなトリックミス・コントロールミス・ヨーヨーの停止・やむを得ないヨーヨーの交換等、ヨーヨーの技術に対しての減点事項となる。

上記はヨーヨー毎の減点である。2ハンドで両方が絡まり交換した場合は最大合計減点6となる。

ストリングブレイクなど危険なプレイに関しての特別減点

プレイ中におけるヨーヨーの空中での分解・ステージ上でのストリングの切断・観客席へのヨーヨーの飛散など、危険プレイとみなされる行為については、大会進行上重く受け止めています。そのため2009年度より、故意・不注意による事故を問わず、危険なプレイと見なされる行動については、大幅な減点および演技後の失格を含めた措置を実施します。

ケース1:ヨーヨーがストリングからはずれた場合

ヨーヨーの空中分解、ステージ上でのストリングの切断、またはオンストリング部門(1,2,3,5A)にてヨーヨーやカウンターウエイト(*)がストリングからはずれた場合は、演技終了後のスコアから、ヨーヨーもしくはストリング毎に5点を減点する。(ブレイクザストリング等のトリックによる)故意の切断も減点の対象となる。

*本大会より追記

ケース2:制御を失ったヨーヨーが客席に飛び込んだ場合

オフストリング・カウンターウエイトなど部門を問わず、制御を失ったヨーヨーがジャッジ席より後方となる客席に飛び込んだ場合は、演技終了後のスコアから、10点を減点する。

1演技中、ケース2に該当する行為が2回あったと認められる場合は、演技後にジャッジが確認し、失格を言い渡す場合がある。

ストリングが切れた後、観客席にヨーヨーが飛び込んだ場合(ケース1→ケース2)は、ケース2の減点に合わせる形を取り、10点を減点する(ただし1回目に限る)。

上記の特別減点は、通常のプレイミスの減点に追加する形で減点される。

例)プレイ中にストリングが切れた場合

芸術点(PS : Performance Style)

ジャッジは10個の項目をそれぞれ0点から3点(合計30点満点)で採点する。その得点は標準化(ノーマライズ)はされない(最高点・最低点の削除の対象にはなる)。

原則として、演技時間3分間を評価対象とする。ただし、演技前・演技後であっても、ステージ上で評価を損なう不適切なパフォーマンスを行った場合は、これも評価の対象とする。

不可:0点 可:1点 良:2点 優:3点 を基本的な目安の基準とする。

以下が採点される10項目である。

プランニング

事前の準備や、構成、計画の有無や質を審査する。

1.テーマ

トリックスタイルや音楽・動き・表現などに一貫したテーマは感じられるか?

2.ルーティン(構成)

はっきりとした区切りや、起承転結、構成の山や谷などがあるか?

3.アウトフィット(衣装・服装)

衣装は公衆の面前やステージにおいて適切であるか? 計画性はあるか?

アクション

ステージ上での演技者の表現力や、ボディコントロールなどを審査する。

4.ボディコントロール(体の動き)

ステージの上で体の動きをコントロールできているか? 落ち着いて演技ができているか? そわそわしていないか? ステージ上、人前だということが意識されているか?

5.オーディエンスインタラクション(観客とのやりとり)

構成は観客を意識したものになっているか?

6.コーリアグラフィ(音楽に対する振り付け)

トリックや体の動きを音楽に合わせているか。また音楽とプレイが調和しているか。

7.ステージ使用と動き

ステージを計画的に利用しているか? トリックを大きく表現できているか?

トリック

8.クリーンネス

フリースタイル全体を通して、トリックはスムーズで流れるような動きか?

9.バリエーション

トリックにバリエーションがあるか?その部門のスタイルに精通しており、いろいろなトリックスタイルを見せられているか?

10.リスク

フリースタイル全体を通して、成功率が一般的に低いとされるトリック、もしくは、失敗したときに高いリスクを伴うトリックがあるか?


以上がパフォーマンススタイルの10項目である。芸術点は、本選決勝3分フリーでは競技者の総合点の30%を占める。

最終得点

技術点は標準化(ノーマライズ:ジャッジ間の採点バランスの差をなくし、ジャッジ間の不公平をなくす操作)され、競技者の得点となる。

ジャッジAの部門中のTE最高点(加点-減点)を100%(総合得点の70%:決勝3分フリーの場合)として、以降比率にて点数を標準化する。

例:

ジャッジが6人以上いる場合のみ、TE・PSごと、競技者毎に最大と最小の点をつけたジャッジの得点を切り捨てにする。

同点の場合は、技術点・芸術点の順で順序づける。それでも同点の場合は、ジャッジの判断で同点またはふさわしい案を提案する。

ジャッジの決定は、絶対であり、最終決定である。

参加者は、上記のルールを読み、理解して競技に参加することとする。