フリースタイル競技 競技ルール
注意事項
演技時間について
選手は自分で選んだ音楽に合わせて3分間(注:予選は1分。以下同様)内のフリースタイル(自由演技)をする。
音楽再生装置の0:00から3分を計測する。
音楽は音楽再生装置上の3:00から3:01の間で停止させる。音楽スタート時に無音部がある場合でも同様である。
音楽が始まる前、もしくは3分間終了後のトリックは加点の対象としない。しかし、減点は3分終了後も継続される場合がある。
使用音楽について
音楽は、全ての観客に適するものでなければならない。不適当な音楽(外国語も含め、中傷・わいせつな言葉等が入っているもの等)を使用した選手をジャッジは失格にすることができる。もし、選手が自分の音楽が適当なものか不確かな場合は、事前にジャッジに確認することができる。
音楽は、CD(著作権フリー、またはそれに準ずる場合はCD−Rでも可)のみを受け付ける。CD−RW・MD・MDLP・カセットテープ・iPodなどの携帯プレイヤーなどは受け付けない。JASRAC管理下曲を使用する場合は、販売されている製品版CDを当日提出すること(楽曲の編集は不可)。製品版からの複製物は受け付けられないことがある。
全ての音楽は、シール・付箋紙などを利用して、トラックナンバーと選手名を明記しておかなければならない。
3分に満たない音楽トラックの場合は、1トラックを再生し終えた時点で終了とする。
フォーマットや作成コンディションによってCD・CD−Rが再生できない場合、選手は自身の責任として必要な代替品を提出する必要がある。
音楽が機材不調などにより、3分に満たない間に停止した場合、演技中の選手がプレイを続けている限り、採点を継続する。音楽の停止などによって選手が演技を中止した場合は、その直後、もしくはその部門の最後に再審査を受けることができる(音楽機材とCDの状況を勘案し、ヘッドジャッジによって判断される)。
行動・動作について
全ての選手は、観客・会場施設・大会設備そして選手自身の安全を考えた演技をしなければならない。ジャッジは、危険もしくは不適当な行為をした選手を失格にすることができる。
ステージ上で、不適当な行動・発言・衣装(シャツのプリントも含む)をした選手をヘッドジャッジは失格にすることができる。ここでの不適当とは、中傷・わいせつなものなどを指す。
もし、選手が自分の予定している動作が適当なものか不確かな場合は、事前にジャッジに確認することができる。
演技中は、選手のみがステージに立つことができる。演技中のいかなるアシスタントも許可されない。
ほかの選手の妨害や、中傷・問題行為などに関しては、大会中や前後の行動・発言も含めて、競技会失格の対象になる。
使用ヨーヨーについて
ヨーヨーのメーカー・種類・パーツ交換・メンテナンス・改造に特別な制限はない。
観客・会場施設・選手自身の安全が脅かされる改造や演技を行った場合は、ジャッジは選手を失格にすることができる。
ストリングは、ヨーヨー専用の市販品を使用しなければならない。ただし、特殊なスタイル(ゴーウエスト・ロングストリング・透明ストリング等)を行う場合のみ、ジャッジの安全確認を受けた上での使用を認めることができる。
選手本人がステージ上に用意したヨーヨー以外、使用してはならない。選手は他者からヨーヨーを受け取り、それを使用することはできない。オフストリングなどでステージから落ちたヨーヨーは、選手本人以外の人が拾ってステージに戻してはならない。もし、そのヨーヨーを使用した場合、その間は加点されない。ただし、減点の対象にはなる。
ヨーヨー・ストリング・カウンターウエイト・グローブ(もしくは準ずるもの)、大会側が用意したトレイ以外をステージ上に持ち込んではならない。バッグ・ヨーヨーケース・布・ジャケット・装着している衣装以外の衣類・選手が用意するテーブルおよび装置等の持込みは一切認められない。ジャッジは違反選手を失格にすることができる。
選手は必ずヨーヨーをヨーヨーとして使用し、演技しなければならない。そのほかの部分は評価対象外とする。
その部門に属さないスタイルを選手が演技した場合は、その部分は加点対象として審査されない(ただし減点対象としては審査される)。ヨーヨーの絡まり、構成上の都合などによる交換の場合でのみ、複数のヨーヨーを規定数以上使うことができる。
以下は同時に使用することができるヨーヨーの数である。
- 1A部門:1個
- 2A部門:2個
- 3A部門:2個
- 4A部門:1個以上
- 5A部門:1個以上
2A、3A等で3個目のヨーヨーが使用された場合も、最初の2個のみを技術の対象とし、3個目からはパフォーマンスの一部として評価される。
3Aでのオフストリング要素(ソードダンサー)も、3Aとしての形状を保った間までが加点対象であり、それ以降は加点対象にならない。
フリースタイルの採点方法
フリースタイルの採点は、「技術点(TE)」と「芸術点(PS)」の2つの要素の合計から成り立つ。
フリースタイルの採点は、「技術点(TE)」と「芸術点(PS)」の2つの要素の合計から成り立つ。
技術点(TE : Technical Execution)
技術点は、各ジャッジが2つのクリッカー(数取り器)を両手に持ち一方で加点を採り、もう一方で減点を採る。そしてその和をもとに集計する。
加点
上級レベルのトリックエレメント(技術要素)が成功した場合に加点される。加点は「技術要素」毎で加点される。以下にその例を示す。
- ストリングヒット(トラピーズ、バウンス等)
- ポップ(跳ね上げ等)
- ラップ(掛け系等)
- トランジション(変形等)
- リジェネレーション
- リリースキャッチ(スーサイド系)
- ウィップキャッチ(アイアンウィップ系)
- そのほか、ヨーヨーの巧みな動き
ジャーブルやランシッドミルクなども、トリック一個としてではなく、複数のトリックエレメントとして技術要素ごとに採点される。
追加点の対象:難易度・オリジナリティ・長スリープでの連続トリック・巧みで壮大な動き。
同じトリックエレメントの2度目以降は原則として加点されない。
しかし、高難易度のリピートトリック(スーサイドの連続キャッチ等)、もしくは、異なるトリックコンボ内での「技術要素」はジャッジの判断によって2度目以降も加点して良い。
0点 | 基本の動き(グラビティプル・スローダウン・スリーパー等) |
---|---|
1点 | 一定の難易度を伴った動き |
2点 | 高い難易度を伴った動き |
3点 | 著しく高い難易度を伴った動き |
4点 | 難易度、新規性において他を圧倒する動き |
5点 | 4点のそれを超える動き |
減点
明らかなトリックミス・コントロールのロス・ヨーヨーの停止・やむを得ないヨーヨーの交換等、ヨーヨーの技術に対しての減点事項となる。
減点1 | トラピーズミス、コントロールのロスなど |
---|---|
追加減点1 (合計減点2) |
ミスをしたのち、故意の場合を除くヨーヨーの停止 (ミスを伴わないヨーヨーの停止も減点2) |
追加減点1 (合計減点3) |
ヨーヨー停止後、ヨーヨーの交換 (4Aや5Aにおけるヨーヨーの場外や、停止していないがストリングが絡まったことによるヨーヨーの使用不可も、減点3。ただし、トリックスタイルの変更等による計画的な交換を除く) |
上記はヨーヨー毎の減点である。2ハンドで両方が絡まり交換した場合は合計減点6となる。
技術点(加点と減点の総和)は、本選3分フリーでは競技者の総合点の70%を占める(予選1分フリーは100%)。
芸術点(PS : Performance Style)
ジャッジは10個の項目をそれぞれ0点から3点(合計30点満点)で採点する。その得点は標準化(ノーマライズ)はされない(最高点・最低点の削除の対象にはなる)。
原則として、演技時間3分間を評価対象とする。
不可:0点。可:1点。良:2点。優:3点。を基本的な目安の基準とする。
以下が採点される10項目である。
プランニング
事前の準備や、構成、計画の有無や質を審査する。
1.テーマ
トリックスタイルや音楽・動き・表現などに一貫したテーマは感じられるか?
0点 | 特に何もない。 |
---|---|
1点 | 何かをやろうとしている。 |
2点 | 何か伝わるものがある。 |
3点 | はっきりと伝わる一貫したテーマがある。 |
2.ルーティン(構成)
はっきりとした区切りや、起承転結、構成の山や谷などがあるか?
0点 | 事前の構成・計画が全くない。 |
---|---|
1点 | 構成・計画は存在する。 |
2点 | イントロやクライマックス、エンディングなどはっきりとした構成が感じられる。 |
3点 | ストーリー性が盛り込まれており起承転結が感じられる。 |
3.アウトフィット(衣装・服装)
衣装は公衆の面前やステージにおいて適切であるか? 計画性はあるか?
0点 | だらしのない格好。ストリングやヨーヨーの動きを視認することが困難な服装。 |
---|---|
1点 | きれいで公衆の面前でふさわしい。世間一般の視点で好感が持てる。 |
2点 | ステージにおけるパフォーマンスを意識した衣裳である。 |
3点 | 衣装が音楽やヨーヨープレイと合わせてコーディネイトされている。 |
アクション
ステージ上での演技者の表現力や、ボディコントロールなどを審査する。
4.ボディコントロール(体の動き)
ステージの上で体の動きをコントロールできているか? 落ち着いて演技ができているか? そわそわしていないか?ステージ上、人前だということが意識されているか?
0点 | 人前であることが意識されていない。または、落ち着けていない。 |
---|---|
1点 | 自分の体のコントロールを意識して行っている。 |
2点 | 自分の体を完全にコントロールし、予定通りの動きをしている。 |
3点 | 演技者であることが高いレベルで意識され、頭の先からつま先まで神経が行き届いている。 |
5.オーディエンスインタラクション(観客とのやりとり)
構成は観客を意識したものになっているか? プレイヤーが観客に、観客がプレイヤーに反応しているか?
0点 | 観客を全く意識していない。 |
---|---|
1点 | 観客の存在を意識し、演技している。 |
2点 | 観客の注目をつかみ、演技と歓声のキャッチボールができている。 |
3点 | 観客と演技が一体となり、会場がひとつなっている。 |
6.音楽に対する振り付け(コーリアグラフィ)
トリックや体の動きを音楽に合わせているか。また音楽とプレイが調和しているか。
0点 | 音楽の必要性がない。 |
---|---|
1点 | 音楽を意識した部分がある。 |
2点 | はっきりと計画性があって音楽とコーディネイトされている。 |
3点 | すべての動きが音楽とマッチしている。 |
7.ステージ使用と動き
ステージを計画的に利用しているか? トリックを大きく表現できているか?
0点 | 立ったままで細かなトリックが続く。 |
---|---|
1点 | ステージでトリックをしながら動いている。 |
2点 | トリックと動きを意識的に行っており、トリックを大きくみせている。 |
3点 | ステージをフルに活用し、トリックを壮大にみせている。 |
トリック
8.クリーンネス
フリースタイル全体を通して、トリックはスムーズで流れるような動きか?
0点 | トリックはできているが、雑でぎこちない。 |
---|---|
1点 | トリックの練習が十分にされていて、プレイヤーが自信をもって演技している。 |
2点 | スムーズでミスもよくカバーされている。 |
3点 | トリックが洗練されており、とても簡単そうにおこなっている。難度の高い技も流れるように演技されている。 |
9.バリエーション
トリックにバリエーションがあるか?その部門のスタイルに精通しており、いろいろなトリックスタイルを見せられているか?
0点 | 一貫して同じ系統のトリックが続く。 |
---|---|
1点 | 多少のバリエーションがある。 |
2点 | いろいろなトリックをおりまぜている。 |
3点 | ありとあらゆるトリックバリエーションがはいっている。 |
10.リスク
フリースタイル全体を通して、成功率が一般的に低いとされるトリック、もしくは、失敗したときに高いリスクを伴うトリックがあるか?
0点 | リスクのまったくない構成 |
---|---|
1点 | リスクをもったトリックが演技されている |
2点 | リスクのあるトリックが成功して演技されている |
3点 | 高いリスクのあるトリックを数多く安定して行っている |
以上がパフォーマンススタイルの10項目である。芸術点は、本選3分フリーでは競技者の総合点の30%を占める。
最終得点
技術点は標準化(ノーマライズ:ジャッジ間の採点バランスの差をなくし、ジャッジ間の不公平をなくす操作)され、競技者の得点となる。
ジャッジAの部門中のTE最高点(加点−減点)を100%(総合得点の70%:本選3分フリーの場合)として、以降比率にて点数を標準化します。
例:
プレイヤーA | 160点 | → | 100% | (70点) |
プレイヤーB | 80点 | → | 50% | (35点) |
プレイヤーC | 144点 | → | 90% | (63点) |
ジャッジが6人以上いる場合のみ、TE・PSごと、競技者毎に最大と最小の点をつけたジャッジの得点を切り捨てにする。
同点の場合は、技術点・芸術点の順で順序づける。
それでも同点の場合は、ジャッジの判断で同点またはふさわしい案を提案する。
ジャッジの決定は、絶対であり、最終決定である。
参加者は、上記のルールを読み、理解して競技に参加することとする。